学生からみた社会基盤学科 2014

学生からみた社会基盤学科 2014
学部3年生まではA/B/Cコースを超えて幅広い授業を受けます。その中でも印象的だった授業について聞いてみました。
陳:チームを組んでコンクリート会社を立ち上げ、実際に作ったコンクリートを商品として模擬入札を行う基礎プロジェクトⅡです。材料の配合から自分たちで考えるので、性能の良いコンクリートを目指して自主的に色々な勉強をしました。
大澤:技術と会社経営のつながりを学べるのも良いですよね。学科全員で山中湖に3泊4日で合宿して行う、フィールド演習は、技術と社会の両方の視点を持ちながら、チームで課題解決に取り組む点で、社会基盤の真髄ともいえる授業だと思います。
神谷:空間情報学実習では、座学と合わせて、実際の測量機器を用いて測量技術を学べたことで、測量に関する実践的な理解が深まりました。また、法学基礎や土地学で社会基盤に関わる法律を学んだ時は、社会基盤という分野の幅広さを感じました。
菊地:様々な演習を通して、今まで知らなかった分野とのたくさんの出会いがあります。3年生の終わり頃にやっと社会基盤の全体像がぼんやりと分かってくる感じかもしれませんね。
4年生から研究室に配属され、卒業研究に取組みます。どんな研究をしたのでしょうか?
神谷:僕はもともとAコースだったんですが, 4年生からは地域/情報研究室に所属し,写真測量に関する卒業研究を行いました。プログラミングなどの専門分野に関する知識を得られたということ以上に、研究というものの楽しさを知るきっかけになったことが良かったです。
大澤:僕は、長期的にインフラを維持管理する際の理論と現実との乖離が問題だと考え、その解決に向けた理論や分析に関する提案を行いました。自ら、問題設定から分析、解決策の提示までの一連のプロセスを行った経験は、社会に出たときに必ず必要となると思っています。
菊地:卒論発表会では,教授陣全員の前で研究成果を発表しますよね。プレゼン能力を大切にするところは,社会とのコミュニケーションが求められる社会基盤だからこそだなぁって思います。
現場が大切な社会基盤は課外活動も充実しています。みなさんはどんな活動をしていましたか?
神谷:僕はTSAという韓国・台湾の社会基盤系の学生との交流会に毎年参加していました。国際的な目線で社会基盤について考えられたり,海外に友達ができたりして、参加してよかったと思っています。
大澤:僕は3年生の夏に海外実習で、東南アジア最長のトンネルプロジェクトの現場で1カ月インターンをしました。1000人規模の現場を束ねる所長やエンジニアの方々の仕事ぶりを見て、実際のマネジメントにおいては技術や能力に加えて、その人柄などが大きく影響するのだと肌身で感じました。
陳:私は、空間情報の技術を応用して東南アジア諸国の社会問題をいかに解決するかという授業で、ベトナムの現地調査に行きました。JICAやADBの方とお話させていただき、開発について学ぶ足がかりとなりました。
菊地:私は4年生の夏にアメリカで開催されたサマースクールに参加したことが思い出深いです。アメリカ・韓国・中国の学生とヘルスモニタリングという構造物の維持管理に必要な技術を学びました。ここで海外の博士課程の学生に出会ったことが進学のきっかけの1つになっています。
授業・卒論・課外活動と様々な経験を経て,どのような変化がありましたか?
陳:現場における施工側の立場を想像して、物事を考えるようになりました。今はランドスケープデザインに興味を持っていて、卒業研究で取り組めたらなと思っています。
大澤:構造物や制度の背景にある「これはどのような必要性に基づいてつくられたのだろうか」ということを意識するようになりました。また、人口減少、気候変動、インフラの経年劣化など、社会で起きているゆっくりとした大きな変化に対して、人々の生活を維持するための総合的な解決策を提示できるようになりたいと思うようになりました。
神谷:幅広い授業・課外活動に刺激を受けて,色々なものへ興味が広がりました。例えば,橋や高架をみると、その構造について考えるようになりました。また,研究を進める上で情報処理にも関心が広がれば,他学科の3年生に混じり講義を聞きに行ったように、自ら学ぶようになったと思います。
菊地:私は博士課程に進学後、東日本大震災以降の再生可能エネルギーの導入に向けた、洋上風力発電のコストを技術的な知見から評価するという研究をしています。そのような研究を通して、時代を見据えながら社会が抱えている問題を解決していくことに、責任のようなものを感じるようになったと思います。
菊地:チームワークが多く,コミュニケーションを楽しみながら学べる学科です。人の生活と技術の関わりに興味を持っている人におすすめです!
陳:大学には尊敬できる先生と友人がいます。様々な人と話し、自らの強みを発揮できる分野をみつけて深めていってください。
神谷:やろうという気持ちがあれば何でもできるところが社会基盤の良さの1つかなと思います。まずは自分が何に興味をもっているかをじっくり考えてみてください。
大澤:社会基盤の分野ではこれまでにも、国土の維持保全や利活用についての知見が蓄積されてきました。僕らが現役世代として社会の一翼を担う時代は、これまでに社会が経験したことのない問題に直面します。そうした問題に対して、これまでの知見だけでなく新たな知見が大いに求められる、大変ですが魅力的な分野だと思います。