本専攻留学生チャヤニス・マヌチパロム博士が総長賞を受賞

 平成15年度の第2回東京大学総長賞学生表彰に、社会基盤工学専攻の留学生、チャヤニス・マヌチパロム博士が選出されました。マヌチパロム博士は、博士課程の研究において、毎年のように渇水に苦しむ母国タイの水資源不足の水文学(すいもんがく)的な実態を調査し、その解決のためには数ヶ月先の降水予測こそが重要との認識に至り、数理情報工学の技術を応用してグローバルな水循環変動を地域の水資源予測に結びつけるシステムの開発を行い、さらに予測に基づく水資源管理が社会経済的にもメリットをもたらすことを確認した上で、新たな社会基盤マネジメント手法を提案するに至りました。

 その成果は、国際協力事業団(JICA)の第6回国際協力大学生論文コンテストにおいて、最高の栄誉である特選(JICA総裁賞)を2003年7月に受賞し、これに対して東大総長賞が送られることになったものです。本年度の総長賞個人の部の受賞者の中で、留学生はマヌチパロム博士1人だということです。マヌチパロム博士は、2003年9月に博士課程を修了、学位を獲得して卒業の後、関連諸国の国際的な調整機関であるメコン川委員会に専門家として採用され、現在の所在地であるプノンペン(カンボジア)に滞在中ですが、3月25日(木)の表彰式には改めて来日、出席の予定です。