進学選択FAQ

社会基盤学A(設計・技術戦略)、社会基盤学B(政策・計画)、
社会基盤学C(国際プロジェクト)の違いはなんですか?
 社会基盤学科では、3つの進学選択部門(コース)を設置しています。これらの違いは卒業に必要となる単位の配分と、卒業論文を作成するために配属される卒論研究配属グループの優先度です。
 「社会基盤学A(設計・技術戦略)」は環境と社会基盤に関わる技術を重点的に学ぶことを誘導するような選択科目の設定がされています。
 「社会基盤学B(政策・計画)」は都市と交通、マネジメントやデザインなどを重点的に学ぶことを誘導しています。
 「社会基盤学C(国際プロジェクト)」では国際的なプロジェクトに携わるのに必要な英語やコミュニケーション、プレゼンテーションのスキルやマネジメントを重点的に学ぶようになっています。
 なお講義そのものは3つのコースを区別せずに行いますので、上記の違い以外に進学後に選択部門や履修コースを意識することは少ないかもしれません。卒論研究配属グループについては次の質問を参照してください。
卒論研究グループ配属の方法はどうなっているのですか?
 社会基盤学科の3つの進学選択の部門に進んだ学生は、卒業論文に取り組むため、4年生の春に卒論研究グループに配属されます。研究グループは6つあり、進学選択部門によって優先的に配分される定員があります。
 社会基盤学A(設計・技術戦略)からは「水圏環境」「基盤技術と設計」、社会基盤学B(政策・計画)からは「都市と交通」「マネジメント」「デザインと景観」、社会基盤学C(国際プロジェクト)からは「国際プロジェクト」の各グループに優先的に配属されます。希望者が定員を上回った場合はグループの教員による面接などで配属が決定されます。
社会基盤学B(政策・計画)は、システム創成、
都市工学科都市計画コースと分野が近いようですが、違いはなんですか?
 一見すると境界はあいまいですが、土木エンジニアリングと密接な関係を保っている点に大きな違いがあり、社会基盤学B(政策・計画)では、それを意識した教育を実践しています。都市や社会システムは、都市計画のみやシステム開発のみでは成り立たず,橋梁・港湾・地盤・コンクリート等の基盤となるインフラストラクチャ―との連携の上で成り立っています。社会基盤学Bでは、社会基盤学が実現性を担保する技術(土木エンジニアリング)の基礎を学びながら、その上でより優れた計画(プランニング・デザイン)を構築する方策を学ぶことができます。
数学や物理などが好きなのですが, それを生かした勉強や研究を行うことはできますか?
 社会基盤学科では,高度な数学や物理などが含まれたカリキュラムも体系的に用意されています.たとえば,構造力学,応用力学,また材料力学などは社会基盤施設の設計に必要不可欠なものですし,流体力学や気象学,また地球科学などは現在の環境問題を取り扱ううえでなくてはなりません.従って,これらを自在に使いこなせる学生の育成も目指しており,数理系に強い興味をもつ学生は大歓迎です.
 近年では,最新の数値計算力学に基づく大規模シミュレーション手法を用いた都市防災問題への取り組みや,センシング・モニタリング技術を駆使したインフラ施設の維持管理手法,分子レベルのナノスケールから構造物の寸法(メートルスケール)をつなぐ無機複合材料のマルチスケール解析システム,また革新的な機能を付与したインテリジェントマテリアルの開発などについても日進月歩で研究が進んでいます.これらの研究は世界のトレンドをリードする最先端のものと言ってもいいでしょう.
女性の活躍の可能性は?
 ここ5年間で見ると、1学年あたり7~14人の女子学生が社会基盤学科で学んでいます。大学院で他大学から進学してくる女子学生もいます。就職先の実績として国土交通省、JR東日本、鹿島、大林組、三菱商事、セコム、日本工営、アルメック、RIA、マッキンゼーなどがあり、社会に出てもさまざまな分野で活躍しています。
環境問題に取り組みたいのですができますか?
 たとえば、水圏環境グループでは、地球規模の水問題から河川や海岸などの流域スケールでの環境問題など、また基盤グループでは、洋上風力発電やリサイクル材料の開発など、様々な視点から環境問題に関する研究に取り組んでいる教員は多くいます。
まちづくりやデザインがやりたいのですができますか?
 たとえば、デザインと景観グループでは地域性を継承した空間デザインによる地域再生、また都市と交通グループでは住民の生活・行動を考慮した公共空間のデザインに取り組んでいます。このように様々な視点からまちづくりやデザインに関する研究に取り組んでいる教員は多くいます。
文系から理転して社会基盤学科に進学したいのですが,
どのような準備が必要ですか?
 社会基盤学科では多様な人材を求めています.たとえば,国土や都市のあり方を大局的に構想し実現する戦略家,歴史や景観・自然環境を活かしながら都市や地域のあり方を先導するプランナー,科学的方法論に基づいて公共施設を計画・設計・施工するエンジニア,地域の人々のために快適で美しい橋や都市空間を実現するデザイナー,などです.また歴史・哲学・社会学など諸分野とわたりあって人間社会とは何かを洞察できる人材も必要です.社会基盤学科は理系の学科であるものの,公共政策や合意形成,マネジメントやプランニングなど,文系的センスや文系の領域に対する関心が強く求められる学科でもあります.
 従って,文系出身だから理系出身だから,というこれまでのバックグラウンドによって,将来の可能性が縛られるということはありません.自分が将来,どのような専門性を武器に,どのような領域で活躍したいのか,またどのような問題解決に貢献したいのかなど,自らの志を明確に持つことが重要だと思います.そのためにも広い視野で勉強してもらうとよいと思います.
文系から進学したいのですが,授業についていけるか心配です.
カリキュラムはどのようになっているのでしょうか?
 社会基盤学A,B,Cコースは必修科目が非常に少なく,講義選択の自由度が高い学科です.講義や研究内容によっては,高度な数学・物理の理論を必要とすることもあるでしょうが,だからといって学生全員が高い数学力が必要,ということには決してなりません.社会基盤の扱う領域は非常に広いので,数学や物理が得意な人はそれを生かして勉強や研究すればよいですし,人文科学系・社会科学系の領域が好きな人はそれを武器として勝負してもらいたい,というのが当学科の考え方です。
コロナ禍で対面での授業がほとんどなく、知り合いも増えずに不安です。
社会基盤学科ではどのようなコロナ禍での授業・活動を行っていますでしょうか?
 社会基盤学科では、2020年度夏学期は他の学部・学科と同様に完全リモートで授業を行いました。2020年度秋学期からは、少人数の演習型の授業を中心に対面も含めたハイブリッド型の授業を取り入れました。2021年度夏学期からは、対面授業(希望者はオンラインも可)の曜日を学年ごとに設定し、学生と教員、また、学生同士の円滑な交流ができ、大学生活を一層充実した内容にできるように取り組んでいます。
 他にも、2020年度はリモート生活でコミュニケーションがどうしても減ってしまう問題への対策として、教員によるメンター制度、学部2年生と先輩との交流会を開催する等、交流機会の増加を図っています。詳細につきましては、こちらに写真入りでまとめていますので、是非見てみてください。(2021年3月時点での回答)
留学したいのですが、どのような例がありますか?
 修士課程で1年間留学する学生や、海外の大学で博士号をとった教員も多く、もともと社会基盤学科は、留学する学生が多い学科です。当学科では、学部学生でも短期間の留学をする海外サマーインターンプログラムが準備されています。また、修士課程では、アジア開発銀行での約半年にもおよぶインターンシップを通じて修士論文を完成させるプログラムや、フランス・フランス・ENPC(École nationale des ponts et chaussées)とのダブルディグリー留学プログラム(単位互換制度)も運用されており、多くの大学院生がこのプログラムを利用しています。なお、ENPCはフランス最古のグランゼコール(Grandes Écoles)であり、世界から集まる社会基盤学分野の留学生と共に勉強に励むことができます。
留学したいと考えておりましたが、コロナ禍でも可能でしょうか?
 現在はコロナの影響により一時的に難しい状況にはなっていますが、各種留学制度そのものは継続しています。コロナが落ち着いたら今まで通り、学科としては支援していきたいと考えています。詳しいことは、担当の教員(加藤浩徳教授)にご連絡ください。(2021年3月時点での回答)
英語の勉強は必要でしょうか?
 昨今の国際化社会の中で、英語でのコミュニケーションは不可欠です。本学科では10年以上前からネイティヴの英語教師による「技術者のための英語I,II」という科目を設けており、毎年20-30人ほどの学生が受講しています。ここでは一般の英会話学校では習得し難い技術英語のレッスンが可能です。また、「国際コミュニケーションの基礎 I,II」「国際コミュニケーションの実践 I,II」では、より実際的な英語による議論と発表の技術を磨くことができるようになっています。大学院の講義はほとんどが英語で行われるため、そのためにも学部時代から英語に慣れ親しんでおくことが必要でしょう。
大学院に進んだほうが良いのでしょうか?
 近年の大学院重点化に伴って、工学教育は修士課程も含んだ一貫教育となりつつあります。よって、できることなら大学院修士課程に進んだほうがよいでしょう。もちろん奨学金も用意されています。本専攻の大学院定員は、工学系研究科の他の専攻に比べて多くなっており、大学院に進学しやすい学科であると言えるでしょう。