JLC 東京大学工学系研究科社会基盤学専攻 日本語教室
Japanese Language Class
Department of Civil Engineering, the University of Tokyo

Welcome to JLC


  東京大学工学系研究科社会基盤学専攻日本語教室は、当大学の日本語教育の先駆的役割を担って、1982年より外国人留学生のために日本語教育を行ってきました。
  当教室では、留学生個々に対する日本語教育を通して社会参加力を育むことを重視しています。社会基盤学の専攻内においての連携も行われ、学習の進度などを周囲にも積極的に公表することで、教室内外を有機的に結び付け、留学生により効率的で、有益な日本語学習の場を提供しています。


JLCの特色及び教育理念


 社会基盤学専攻での日本語学習における、3つの理念を以下にしめします。これらの教育理念を踏まえた日本語クラスによる講義は、「社会基盤技術者のための日本語E」を履修登録することで単位認定されます(2単位)。また、半期ごとに学生の達成度をチェックし、何ができるようになったか、またはできるようにならなかったか、指導教員へのインフォームも兼ねた学習達成レポートを導入しています(4step Learning方式)。これにより、日本語教室と専攻教員の連携を図っています。

 1.日常生活へのサポートと人的つながりへの促進
社会基盤学専攻では、専門は英語で勉学できますが、留学生が日本人学生と同じ条件で勉学できるよ・、にするためには生活の基盤を作ることが大切です。当教室では、日本での日常生活のために必要な日本語習得を第一の目標にしています。一年間の初級日本語の課程を終えると、日常生活レベル+専門的なことを簡単な日本語で表現できるレベルの日本語が習得できます。そうすれば、日本人との交流も可能となり、充実度の高い留学生活につながります。またクラスにおいて、同時期に来日した留学生同士のネットワーク作り、情報交換の場を提供することによって、留学生の精神衛生面にも貢献したいと考えています。

 2.社会基盤学という専門分野における日本語の必要性
社会基盤学という分野は、領域が広く、地域や人との関り(属地性)が求められます。その地域の文化を知り、そこに住まう人々と直接コミュニケーションを深めていく上では、基本となる語学力が当然必要となります。つまり、滞在年数に相当する日本語能力と、日本文化への知識が求められるのです。教室では初級のカリキュラムではありますが、可能な限りの専門性を加味したいと考えています。

 3.日本社会への定着支援
将来、日本企業に就職を考える場合、即戦力が必要になるため、専門用語はもちろんのこと、日本に関する知識や習慣も同時に学習しなければなりません。そのため、日本語を文化の理解やビジネスの機会獲得、つまりビジネスツールとしての習得が必要になってきます。当教室では、学習の修了段階で外在評価である日本語能力試験を受験して、自ら培った日本語能力を客観的に証明できるよう導きたいと考えています。

これらの教育理念を体現した、人物、成績共に優秀な学生に対して専攻の修了式において西野章代賞が贈られます。本賞はこの日本語教室を創められた西野章代氏のお名前を冠した名誉ある賞です。当日本語教室開設当時から留学生の日本語教育に尽力された西野章代氏の功績を記念するとともに、当日本語教室での成績優秀者を修了式において表彰し、その努力を讃えます。


西野章代先生


1983年に開催された第1回スピーチの会(写真前列中央が西野章代先生)